2016年03月30日

「音楽が繊細である理由」について

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中学校理科では、「音」についての基本的な性質について学びます(公立の場合)。

ここでは、「音は空気の振動である」とか、「高い音と低い音、大きな音と小さい音は、何の違いで決まるのか?」とか「音の伝わる速さ」等について学びます。

 

高校で物理を学習すると、それをもう少し深く学習しますが、これによって、何故、トロンボーンは管を伸ばしたり縮めたりすることで音の高さを変えられるのか?とか、救急車が目の前を通過するとき、音程が変化して聞こえるのは何故か?(ドップラー効果)という疑問が解消します。

 

この「音」について、「学習ではあまり触れないが、身近な事」について、少し考えてみたいと思います。

 

先にも書きましたように、「音」は「空気の振動」です。振動した空気が、耳の鼓膜を震わせる事で私達は音を「聞く」事になります。

 

空気の振動が伝わるというのは、「空気の波」が伝わる事で、「波」とは、分かり易く言うと、野球のスタンドで観客がやる「ウェーブ」のようなものですね。…正確には音の場合、疎密波(そみつは)と言って、空気分子の詰まったところと、薄くなったところが交互に移って伝わるものですが、性質は同じです。

 

海の波に大波や小波があるように、波には、1波の長さがあります。これを「波長」と言います。

音波にも波長の長いものや短いものがあり、これは音の高さに関係します。

金管楽器は、その「管の長さ」と、この波長とが絶妙にマッチした時に、楽器特有の美しい音が響くのです(共鳴)。ミスマッチだと響きません(綺麗な音は鳴りません)。

 

具体的には、両端が開いた筒を楽器のように鳴らす時、まず、「筒の長さの2倍の波長」を持つ音波が共鳴します(多少補正すべき事もありますがここでは無視します)。

音を変えると、同じ筒で、「筒と同じ長さの波長」をもつ音波も共鳴します(他に、筒の2/3倍、1/2倍…の長さの波長をもつ音波も共鳴します)。

同じ長さの筒に、複数の音波が共鳴することで、ホラ貝や長さの変えられないラッパでも、ある程度のメロディを奏でる事ができるわけですね。

 

一方、実際に耳に聞こえる「音の高さ」は、波長ではなく、振動数(一秒間に何回振動するか)の方で決まります。

波長は、音速を振動数で割ったものですから、音速によって変わります。

しかも、音速はその時の気温によって変わるので、結局、音の波長、すなわち「共鳴する楽器の長さ」は、その時の気温に左右されてしまうのです。

気温によって楽器の長さを変えなければなりません汗。

同じ高さの音を出そうとする時、演奏する時の気温によって、楽器の長さを変える必要があるのですから、これ、実は大変なことなんです。

 

 

ところで、波長が半分の長さになる時、振動数は2倍になっていますが、この時、音の高さは1オクターブ高くなります。基準とされる「ラ」の音は440Hz(毎秒440回振動する)なので、1オクターブ上の「ラ」は880Hzだという事です。

 

では、それ以外の「レ」「ミ」等はどうなるかというと、この間を12等分して割り当てられています。

何故12等分かというと、音階、ドレミファソラシドは、1音と半音が混じって作られていて、これはピアノの鍵盤を見れば分かるように、白鍵(ド)、黒鍵(ド♯)、白鍵(レ)、黒鍵(レ♯)白鍵(ミ)白鍵(ファ)・・・と半音ずつ1オクターブ数えると12に分けられるからです。

 

但し・・・「比」での12等分です・・・つまり212乗根倍ずつ変わっていきます汗

「はっ?」・・・212乗根とは、12回掛けると2倍になるという数字です汗汗

 

具体的に言うと、212乗根は1.059463094…と無限に続く少数(無理数)です。

これを1.06と近似して計算すると、「ラ」の上の「シ」は、だいたい440Hz×1.06×1.06494Hzという事になります(半音2つ分なので、1.062回掛けます)が、無理数を近似している為、正確なものではありません…というか、正確な計算は出来ないのです。

 

結局、この「正確に計算できない振動数」で、「その時の気温で変わる音速」を割った長さが、それぞれの音を響かせる楽器の長さの元という事になります。

 

これを考えると、楽器を上手く演奏する芸術家の凄さが、分かりますね。

音楽とは実に奥が深く、人間の能力にも改めて驚きます。

 

 

〜〜前回のクイズの答え〜〜

 

それは、人工知能です。

人工知能の研究をしていたある段階で、この何かのやり取りを考慮に入れないといけないという事になり、そこから研究の進め方を変えた経緯があるのだそうです。

 

どのように変わったかについては、難解すぎて、私には分かりません汗。

 

 

〜〜今回のクイズ〜〜

 

今回の話の中で、野球のスタンドでやる「ウェーブ」と、音波は、伝わり方が違うと言いました。

これは、横波と縦波の事を言っているのですが、この、「横波」「縦波」の違いとは何でしょうか?

 

これが、今回のクイズです。

 

因みに、これは中学1年理科で学習するものです。

中学生で、これが即答できない人がいらっしゃいましたら、今すぐ、当塾までご連絡下さい笑

 

H.G

 

posted by bunbu at 12:34 | Comment(0) | 文武塾より
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