2016年07月19日

「情緒的な科学は本質を見失う?」

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少し前ですが、ある生徒が、学校の授業で生物の絶滅に関する学習をしたという話をしてくれました。

そして絶滅危惧種の絶滅を防ぐために何ができるかという事をレポートにするとの事でした。

 

最近は、地球環境の問題と併せて、「生物多様性」という言葉を良く聞きますね。

世界195カ国が締結している「生物多様性条約」は、日本も締結しています。

 

生物多様性条約というのは、その前文に

「…生物の多様性がある種の人間活動によって著しく減少している事を懸念し…」というくだりがあるとおり、簡単に言うと、人間が環境を壊す事によって絶滅する生き物が多数でてきて、生物の種類(生物多様性)が失われていくのは由々しき問題であるから、国際的に何とか対策しよう…という条約です(簡単過ぎましたか汗)。

 

日本国内でも、これに基づいていろいろな法律が作られ、環境白書には、言葉の定義から取り組むべき事まで詳しく書いてあります

また、その指針に沿って、「生物多様性」に関わる環境省の外郭団体や各種NPO等が国内に多数存在します。

 

今回は、この、一見「生物の命を守ろう」というような運動が、「どういう意味を持つのか」ここで一回、考えてみたいと思います。

 

地球上に最初の「生命」が誕生したのは、今から40億年前と言われていますが、それらはバクテリアのようなもので、現在見られるような動物の素(?)が概ね出揃ったのは、だいたい55千年前です(古生代)。

ここで図(Wikiより)を参照戴きたいのですが、まず、これは、「属」の数である事にご注意下さい(種ではありません)。

生物の分類は、大きい方から、ドメイン、界、門、綱、目、科、属、種、に分けられ、そのうちの、「属」の数の推移を表したグラフだという事です。

例えば、今の私達を大分類から絞り込むと、

真核生物ドメイン−動物界−脊索動物門−ほ乳綱−霊長目−ヒト科−ヒト属−ヒト種

となります。

ここで、ヒト科というくくりではその中にはゴリラやチンパンジーも入ります。次のヒト属まで絞ると、初期の人類やネアンデルタール人等までは入るという事になります。

属に注目すると、人間を人種まで分類して数えないが、サルとは区別するという感じの分類になります。

 

さて、これを100万年単位で大きく見ると、生物は幾度かの大量絶滅を経て、現在に至っている事が分かります。この大量絶滅(中でも大きなものは5回あったと言われます)の原因については、それぞれ諸説ありますが、共通するのはどれも環境の変化です。そしてそこで生き残った生物から、更に別の属が生まれ、その数が増えていきます。絶滅の度に進化(?)を遂げ、環境に対する耐性が増してきた事が分かります。

 

〜〜実際、環境が大きく変わると、特定の遺伝子が発現するという実験例があります(英の生物学者C.H.ウォディントンによるショウジョウバエの実験)〜〜

 

結果として、急激な環境の変化に対しての絶滅する属数は次第に減っていき、現在では25千年前の、「恐竜の出始めのころ」に比べて、属の数は810倍に増えています。多様性が増したという事ですね。

現在、地球上の生物「種」の数がいくらあるのかは正確には分かりません。

推定でだいたい3000万種とされてきましたが、最近890万種という計算の報告がありましたので、それを使うと、ザックリ言って、今890万種いる生物種は、恐竜の時代には100万種だったという事になります。

そしてそれでも、何か生態系やそのバランスに問題があったのかというとそんなことはなく、むしろ順調にその生物種を増やしていったということです。

 

更に言うと、二酸化炭素しかなかった初期の地球に、光合成によって酸素を放出する生物が現れた時、酸素を嫌う生物が大量絶滅したように、人間に限らず生物が存在することで環境の変化は起こります。

そしてそれによって絶滅する生物があり、その一方でそれに耐性のある、進化した生物(新種)が生まれるというプロセスを連綿と続けてきた結果として、「今の私達」があるのです。

 

また、絶滅種にばかり目を奪われがちですが、絶滅する種がある一方で、新種が生まれてもいる筈です。

そしてその新種は、環境に対し、より耐性を持った(進化した)ものであると考えられます(耐性菌もその1例です)。

種の総数は、本来この両者の「差し引き」で決まるものです。

 

いつも適当な数の種が絶滅し、適当な数の種が生まれる事で、少しずつ進化していくという事が、本来(今までの)地球上の生物の姿であり、環境に適合できなくなった生物を何らかの方法で、無理に存続させ、過剰な種を保つ事は、むしろ自然破壊につながりかねないと言う事です。

少なくとも、そういった生物の保護は環境保護とは言えず、生物の絶滅自体は環境破壊ではないという事です。

 

確かに、「ニホンオオカミ」(絶滅)や「トキ」(野生絶滅で現在は佐渡にて人工繁殖中)、「イリオモテヤマネコ」(絶滅危惧種)などは、おそらく人間の活動で絶滅したり、絶滅に瀕しているような気がして「可哀相な気持ち」と「申し訳ない気持ちが」がします。

そんな動物たちを何とか守りたいというのは、子供たちの「優しい心」でしょうし、その為に何ができるか考える事は、決して悪い事とは思いません。

ただ、その気持ちを、経済活動の為に利用される事の無いように、自然科学的な発想も併せ持って欲しいと思うのです。

 

 

〜〜前回のクイズの答え〜〜

 

いくらでも出て来る油の層、実は、地下3000mです。

意外と、浅いんです。そして、2010年には到達し、その開発は進められているのです。

 

 

〜〜今回のクイズ〜〜

 

 

古生代の始まり、今から約55千年前以前の、8億年〜6億年前頃、地球では大変な事が起きていました。

 

それが終わったところで、生物は、突如大量発生した(カンブリア爆発と言われています)のですが、この、今から8億年〜6億年前頃、地球はどんな状況だったのでしょうか?

 

これが今回のクイズです。

H.G

 

posted by bunbu at 12:23 | Comment(0) | 文武塾より

2016年07月11日

「子ども達の学習を阻害しているもの」

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子供たちの学習を阻害しているもの・・・それはこの暑さです(これは冗談です笑)。

しかし、冗談には聞こえないほどの暑い日がありますね、最近は。

気温が体温を超えるような、「原則外での運動禁止」なんていう日も出てきました。

夏本番はこれからだというのに、今年の夏はいったいどうなってしまうのでしょう汗。

 

「熱中症予防に為に、水分を摂って」という事はあちこちで聞きますが、熱中症予防には、湿度管理が重要です。どんなに水分をとっても湿度の高いところにいると、汗が蒸発せず、発汗による体温調節機構が働かない為に熱中症になってしまいます。

部屋の中で熱中症になってしまうのは、これが原因と思われます(水分ではなく)。

これを防ぐ為には、エアコンをつければいいのですが(冷房でも湿度は下がります)、環境省からは、「夏の冷房時の温度は28℃」と言われている為、真面目な人ほど熱中症になり易いという事になります…。

これは皮肉でも何でもなく(汗)、現に、同じ環境省から、日本体育協会による熱環境の指針も示されていて、それによると気温28℃は、「注意(熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。以下略)」と、「警戒(熱中症の危険が増すため、積極的に休憩をとり、水分を補給する。以下略)との境目の温度です(WBGT25℃)。

28℃は大丈夫なんでしょうか?それとも危ないんでしょうか?

 

また、「エアコンを使う事はエネルギーの浪費につながる。」と言う人もいるかもしれません。

実際、冷房温度を1℃あげると、13%の電力が節約できるそうです(環境省)。

そして、中学理科の教科書には、「化石燃料は、やがて尽きてしまうもので、今後数世紀にわたって使い続ける事は難しい」と書いてあります。

 

では、化石燃料は、あとどのくらいもつのでしょうか?

1970年代、「石油は、あと40年分しかない」と言われました。

これは、1973年にマサチューセッツ工科大学のメドウズ教授が書いた「成長の限界」という本に書かれた事です。

これに反応した国連は警告を発し、その結果、19731バレル2ドルだった原油価格は1980年には1バレル30ドルを超え、今は下がっていますが、2014年頃には100ドル程度までになりました。

 

そして、その40年後、運命の2010年には、「石油は、あと43年分しかない」という事になりました。

たちのよくない冗談としか言いようがありません。

しかも現在では、シェールガス等が発見され、その埋蔵量は1000年分とも言われています。

 

では本当のところ、化石燃料は、どのくらいあるのでしょうか?

もちろんこれについて正確には分かっていません。しかし、推定することはできます。

それは、以前のブログにも書きましたが、石油(炭素)は、もともと原始地球に有ったCO2Cが生物に取り込まれたものであり、現在あるO2の片われであったからです。

現在地球上にあるO2量から、かつてそれとペアだったCを算出し、それから海に融けた分や化合物として石などに固定された分(大まかには分かります)を差し引けば、残りは化石燃料として保存されている事になります。

 

実際この計算をした研究者もいて、山内名古屋大学元教授の計算によると、化石燃料はあと3万年〜600万年分は有る事になるのだそうです。他にもいろいろな計算値がありますが、いずれも、○千年とか、○百万年というオーダーです。(こういった事は、何故か社会に広まりません汗。)

 

化石燃料について、確かに限りは有るでしょうが、それが尽きるのが600万年後だとしたら、今、熱中症の危険を冒してでも、それを節約する必要があるのか、私は、疑問です。

 

考えてみれば、あと40年あまりで石油が無くなるという事を、世界中が本気で考えていたら、今のような生活をしている筈は有りませんね。

40年経っても、埋蔵量が変わらなかったりすることで、大人は皆気づいていることです。

これらは、石油の価格を維持する為の経済的要求によるものだという事を。

 

このように、良く分からない温度の基準を(保身の為?)定めたり、経済的理由から、本当は違うけど、そういう「科学的根拠がある」事にしておこうというような、純粋な科学とは違う、政治的科学(?)が広められて、大人がそれを良しとし、やはり自己保身や経済的理由からむしろそれを利用しようという空気があり、その事で、子供たちに誤った知識を伝えてしまう事は、純粋に学ぶ子供たちの学習を阻害していると思うのです。

 

私達は「私塾」ですから、努めて本当の事を伝えたいと思いますが、教える内容に縛りがある学校の先生方は、きっと、悩まれる事でしょうね。

 

〜〜前回のクイズの答え〜〜

 

情報の中心にいる人、その人は、「ハブ」とか、「スーパーハブ」と言われます。

 

ハブ空港のハブですね。

 

 

〜〜今回のクイズ〜〜

 

これまでの「油田」や「ガス田」は、もともとシェールオイル層というところから漏れたものが、不透過層という地盤に溜まったものです。

 

ですから、このシェールオイル層というところまで、掘削ができれば、ある意味「いくらでもある油の層」にぶつかります。

 

では、この「いくらでもある油の層」、地下どのくらいの深さにあるのでしょうか?

 

これが今回のクイズです。

 

(H.G)

 

posted by bunbu at 12:25 | Comment(0) | 文武塾より